わろてんか(10)『藤岡屋と新一兄さん』が危ない!
2017年10月12日 第12週「父の笑い」第10話
〈第9話のおはなし〉
『藤岡屋の薬の倉庫が全焼した』
その情報は本当でした。
父儀兵衛は、多額の損害金を抱えることになり、長い付き合いの会社にお金を貸してもらえないか頼みに行きましたが、断られました。
ただ、『伊能製薬の後ろ盾』があればいくらでも貸す、と言われ心が揺らぎました。
方法はたった一つ。
『てんを伊能家に嫁に出す』ことでした。
儀兵衛は、早急に結納の日取りを決めることを決意。
しずに、日取りを決めて、準備を進めるように言いました。
事の大変さを理解しているであろう祖母ハツは、積極的に結納の準備を整えるとてんに言いました。
しかし、てんは藤吉の事が気になって仕方ない。
どんなにいい条件であっても、自分は「笑えない」と言います。
そして、決意しました。
翌日、友達の誕生日会に行くと嘘をつき、大阪千日前にある『寄席 南北亭』へと向かいました。
『南北亭』に行けば、藤吉に会えると思い込んでいるのです。
それもそのはず、藤吉は「南北亭でトリを務めることになった」と手紙に書きましたもんね。
しかし、誰に聞いても、周りのどこの寄席に尋ねても、『北村藤吉』はいません。
(いるはずありません。その頃藤吉は、岡山です。)
困ってしゃがみ込んでいた時、
「どないしたんお嬢ちゃん」と怪しい男たちが近づき、
「北村藤吉と言う人を探してる」というてんに、
「知ってるで、ついといで。」と狭い路地に誘いこんでいきました。
てんは、藤吉に会えると信じ込み、心浮かれて付いていく。
男たちは悪い人達。
てんのかばんを取りあげ、突き飛ばしました。
その瞬間!
白いスーツのヒーローが現れたのです!
その名は『伊能栞』(高橋一生)。
次から次へと殴っては倒し、最後には決め台詞を言い放つと、男たちは逃げていきました。
決め台詞は
「腕を折られたくなかったら消えろ!」
てんは顔を見てびっくり!
「あっ、あなたは~~~~~!」
という言葉で終わってしまいました~
さあ、この後『ロマンス』は起こるのでしょうか?
第10話 『藤岡屋と新一兄さん』が危ない!
「助けていただいておおきに。ありがとうございました。」
そこに風太登場!
「なんやこいつは?」
てん「助けてくれはったんや~
もしかして伊能さんとちがいますか?」
栞「そうだが」
ーー(なんで標準語なんやろ神戸に住んでる設定やのに。)ーー
**********************
伊能家にて。クラシックがかかっている。
壁には、有名だと思われる画家の絵が数枚飾られている。
「(てんの見合い写真を見ながら)ああ~これか。
すまない、正直言うとあまり興味がなかったんだ。
仕事が忙しくてね、縁談を考えている余裕がなかったんだ。」
風太「せやのに寄席通いですか?」
栞「それも仕事の一環でね。
薬品の貿易をやる傍ら、活動写真にオペラ、文化芸能全般に興味がある。
いつかこれを仕事にできないかと考えているんだ。
そのためには、日本の大衆演芸から学びなおすことが必要だと思わないか?
君はなんでその芸人を探しに?」
てん「それは~縁談の事で迷うてしもて・・
自分の気持ちにけじめをつけとうて。」
栞大笑い。
栞「その芸人が、君の想い人、って訳か。」
てん「想い人やありません。」
てんは、藤吉の芸で自分が勇気づけられたこと、思い出したら笑いたくなること・・・
などをニコニコ笑いながら話しました。
その笑顔を見て、栞は一言。
「興味深い」
ーー(どっかで聞いたセリフ。あ、ガリレオの福山雅治の口癖「実に興味深い」やね!
横道それてごめんなさい。)ーー
その後、「宿を取るから明日一番で帰ればいい。」
と、速攻電話で宿を取りました。
ーー(仕事が速い。出来る男。)ーー
**********************
さて翌朝、家に戻ったてんと風太。
父儀兵衛は、仁王立ち!胸元には藤吉の手紙の束。
直後、無言でてんの着物の胸ぐらをつかみ、そのまま蔵へ。
「仕方ない。」
祖母ハツの言葉に家族も使用人も皆我慢。
母しずは、妹りんや女中トキを手で制し、キリっとした顔でとめていました。
蔵では「親に隠れてようこんなもん。」
父は手紙を火にくべてしまう。
「こんなんにうつつ抜かしてんと、頭冷やせ!」
蔵に閉じ込められてしまいました。
ーー(昔はこういう怖い父が普通だったみたいだけど、
今はこんな人いたらSNSでツイートとかされるんだろうな。)ーー
*********************
しばらくして、心配した風太が蔵にまんじゅうを持ってやってきました。
「俺はあの泥棒芸人の事は絶対認めんぞ。」
反面、伊能さんならいいんじゃないかと話す。
てんも「点を付けたら100点満点。」
てん「藤吉さんは、影法師。そう思うことにしたわ。
きっと夢の中の人やったんや。
もうおとぎ話に憧れてる歳やないわ。」
ーー(そうかもね、9歳だったからカッコよく見えただけかもしれないしね。
てんちゃんは知らないけど、手紙の内容、殆ど作り話だったかもよ?
苦労するの見えてるし、伊能さんにしといた方がええんちゃう?)ーー
ーー(いやいや、今の藤吉に会って、直接話すことが大事ちゃうかな?
後悔先に立たず、っていうもんね。)ーー
ーー(って、私の感想、多すぎ?ごめんなさい。)ーー
兄新一がやってきて、鍵を開けてくれました。
父と掛け合ってみると言ってくれました。
**********************
新一が父に掛け合う場面です。
新一「神戸の火災の事、詳しゅう聞きました。
和漢薬を全て売り払って仕入れた洋薬が全て灰になって、店が危ないことも。」
そんなに自分が頼りないのか、何故話してくれなかったのかと、父に詰め寄ります。
新一「てんに結納を急がせるんは、そのせいですか?
伊能製薬に援助して欲しいさかい、金のためにですか?
こんなん、お父はんらしくない!!」
パチン!
父が新一の頬にビンタ。
新一「情けない・・・」
儀兵衛「皆、ワシが一人で決めたことや、お前らには関係ない。」
儀兵衛は、目に涙をいっぱいためていました。
ーー(関係なくないやん~心配かけたくないんやろけど皆を巻き込んでるやん~)ーー
ーー(でも、息子の為に始めた洋薬だけに、息子にこう言われると辛いよね。)--
***********************
さて、店は大変なことになっていました。
使用人「取引先の旦那衆が押し寄せてます。」
倉庫の火災の損失で、手形が不渡りになるのではないかと噂が広まってしまったためです。
新一は一念発起、頑張ります。
「僕が店を守ります。お父はんは金策に行ってください!」
それから三日三晩、騒動は続きました。
ずっと居続ける旦那衆に、おむすびやお茶を出し、待ってもらいます。
新一は、だんだん咳がひどくなり、倒れました。
医者「気道から肺に炎症が広がってます。
なんで、ここまで無理させたんや。
ここまでなったらもう・・・(絶句)」
ナレーター
「この時代、子どもが6人7人といても、多くが亡くなってしまうことは珍しくありませんでした。」
ーー(もう亡くなる、ってこと?
ナレーションが悲しすぎる。。。)ーー
儀兵衛「スマン、ワシのせいや。」
しず「お母さんに反対を押し切っても洋薬に全てをかけはったんは、新一の為ですやろ?」
儀兵衛「新一はワシよりずっと先を見てる。
いつか優れた薬が開発されて、自分と同じように苦しんでる人を助けたい。
あいつの夢は、何とか叶えさせてあげたい。」
ナレーション
家の中から 笑顔が消えました
ーー(息子の為にと思った事が、息子を亡くす事に繋がったとしたら・・
親の気持ちを考えたら、胸が苦しくなる場面でした。
「もっと生きて、もっと力になりたい」そう思う新一の気持ちが切ない・・・
今日は、なんだか悲しい気持ちで見終えました。)ーー
今日はここまで。第11話につづく→