わろてんか(11)笑いは人を幸せにする薬なんやな
2017年10月13日 第2週「父の笑い」 第11話
〈第10話のおはなし〉
藤吉を探しに行った大阪で、怪しい男たちからてんを救ってくれた男性が、いい名づけ『伊能栞』であるとわかったシーンから始まります。
栞も、見合い相手の『てん』であることを知ります。
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場所は変わって栞の部屋へ。
てんと風太と3人でいろんな事がわかります。
●栞は、仕事が忙しかったのもあるが、縁談に興味がなく見合い写真を見ていなかった。
●栞の寄席通いは、仕事の一環。
貿易の傍ら、活動写真・オペラ・文化芸能全般に興味があり、いつかこれを仕事にできないかと考えている。
大衆演芸から学び直したいから寄席を見に行くのだという。
●てんは、縁談を迷い、自分の気持ちにけじめをつけたいと思って、芸人(藤吉)を探しに大阪に行ったと話す。
●栞は、「その芸人が、君の想い人って訳か。」と納得。
●てんは、「想い人じゃない」と言いつつも、「思い出したら元気が出るし、笑いたくなる」と、藤吉を思い出しニコニコと笑いながら話す。
●栞はてんをじっと見ながら「興味深い」と言う。
栞に宿を取ってもらい、翌朝家に帰ったてんは・・・・
仁王立ちで待ち構えていた父儀兵衛に、着物をつかまれ蔵に閉じ込められてしまいます。
その上、藤吉からの手紙を全部燃やされてしまう。
てんは〝藤吉さんは影法師だったと、夢の中の人だった”と思おう・”・・そう心に決め始める。
兄新一はてんを蔵から出し、父と向き合って話をする。
火災によって店が危ないことも、伊能製薬と提携しようとしていることも知っていると切り出す。
てんの結納を急いだのは、金の為か?
「情けない・・・」
それを聞いた儀兵衛は、思わず新一の頬にビンタを。。
その時、店に取引先の旦那衆が押し寄せていると知らせが入り、儀兵衛は金策に、新一は店番をすることになった。
三日三晩、店番を務めた新一は、病状が悪化して倒れてしまう。
火災の損失で店は傾き、新一は倒れ、
医者からは「ここまできたら、ちょっと」と告げられてしまい・・・
「ワシのせいや。」
自分を責める父儀兵衛。
側で寄り添う母しず。
藤岡家から、笑顔が消えました。
第11話 笑いは人を幸せにする薬なんやな
「縁談は、なかったことにしてほしいんや。」
伊能製薬の社長(栞の父)は『店の危機と新一の病状』を知り、縁談を白紙に戻して欲しいと言いに来ました。
結納の準備を急いで整えた祖母ハツは、ガックリして座り込んでいました。
「結納の準備、ありがとうございました。」
という儀兵衛に、ハツは悲しそうに言いました。
「結納のお品だけ蔵にしまって、これ(着物)はもう少し飾っといておくれやす。」
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てんは・・・
燃えた手紙から゛初代北村藤吉”という文字を拾い上げていると、風太が来て言うのでした。
「伊能はんも、こんなゲラな嫁もらわんでよかったてホッとしてるやろな。」と。
すかさずトキは「俺だけしか残ってへんとか思ってるんちゃうん?」と。
2人のやりとりにてんは、
「おおきにな、うちはへっちゃらや。」
笑っているけれど、どことなくさみしそうな笑顔のてんなのでした。
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家では・・・
「どないした。」
泣きそうで神妙な面持ちのしずに、儀兵衛が声をかけました。
「お医者様が゛いまのうちに、ご家族の方とゆっくり過ごさせてやって下さい”って。あと、1週間か1ヶ月かわからんけどて。」
いつも落ち着いているしずが、泣いて「すんまへん」と。
「そんなあほな。薬屋が、息子の病気も治されへんて。」
儀兵衛は呆然と床に崩れ落ちました。
ーー(そりゃ泣かない親などいないです。子は自分の命よりも大切。このシーンは私も泣きました。)ーー
夜、しずとてんは、お百度参りで祈り続けるのでした。
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見舞に来たてんに新一は・・・
「てんの笑顔見てたら、なんや調子がええわ。
お父はんどないしてる?」
てん「いつも通り黙ってはって、背中丸めて座ってはる。」
新一「この店を大きゅう(大きく)してお父はんを笑わせたかったんやけどな。」
てん「あんな仏頂面笑わせるやなんて、出来へんわ。」
新一「これからは、てんがお父はんを笑わせるんやで。」
てん「うちが?」
新一「笑う、って事は人間だけの特権なんや。
人間は辛いことだらけや。
そやからこそ、笑いが必要になったんやと、僕は思う。
辛い時こそ笑うんや。皆で笑うんや。」
てん「へえ!」
力いっぱいの返事、笑顔を新一に返すてん。
2人は、しっかり指切りげんまんをする。
ーー(これが新一の遺言になるんかな・・心に刺さる一言)--
ーー(でもあとわずかの命だから、新一さんもう少ししんどそうに演じてほしかったかな・・贅沢言ってごめんなさい。)ーー
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その頃、使用人達の間で「旦那さんがどこにもいない」と大騒ぎになっていました。
番頭に「この店はワシの代で終わる。
皆には暇をだす。達者でくらしてくれ。」
と言って姿を消してしまったのだというのです。
「まさか、変な気起こしたりして・・・」
「え~~~っ」
家の中にはいないのなら、と家族総出で皆蔵へ向かうと・・・
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儀兵衛は、太い縄を輪にし、結び具合を確かめていました。
ーー(アカン、早まったらアカン!)ーー
扉が開いた!
ーー(良かった、これで助かる!)ーー
「お父はん~」皆走り寄る。
ボンッ・・押された拍子に首が縄にハマる。
儀兵衛「離せ!」
ーー(ん、離せ?)ーー
よく見たら、儀兵衛は縄を外そうとしている。
→皆が力を入れるて縄を持つので、縄は又首に戻る。
→儀兵衛は縄を外そうと持ち上げる。
→皆は下から引っ張り、縄は又首へ。
→儀兵衛は必死で縄を外そうとしている。
ーー(録画している方、儀兵衛の変顔に注目。遠藤さんの工夫が凄いですよ)ーー
゛自殺”と思い込んでいる皆のコメントに注目です。
ハツ「藤岡屋の事なんてもうよろしい。伝統なんかもう関係ない!」
しず「無口で堅物でつまらんお人や。
でもその仏頂面眺めてるだけで、私は心の底から安心するんどす!」
てん「うちは、お父はんの雷が怖うてたまらん。
けど叱ってくれはってホンマは感謝してるんどす。」
りん「うちもギョロ目の鬼はん言うたけど、大好きどす。」
風太「わてはホンマの親やと思うてます。」
゛お父はん 死なんといてえ~”
と無言の救出劇です。
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やっと縄が外れた~~
儀兵衛「お前ら、何を言うとるんねん!危ないやないか!」
てん「でも、このひもはーー?」
儀兵衛「結納品しまおう思うて、重いもん吊り上げて、動かんようしただけや!」
へ??????????
一同にそんな空気が流れる。
てん「(ふ・・ふふふ)アーーハハハハハッ」
一同「アハハハハーーーッ」
儀兵衛「アハハハハーアハハハハ」
膝を叩きながら大笑いする。
一同は、初めて大笑いをした儀兵衛の姿に驚き、無言に。
今日の儀兵衛の名言です。
『笑いは、人を幸せにするくすりなんやな。』
風太「鬼の目にも涙やな。」
儀兵衛「こらっ」
そこでまた大笑い。
新一も、部屋で皆の笑いをきいていました。
ーー(ちょこっとわざとらしさのあるコント風の最後のシーン。遠藤憲一のお陰でコントじゃなく名演技になってる。顔の表情といい、台詞の口調といい、笑い方といい凄い。)ーー
ーー(明日は悲しい別れのシーンがあるのかな。千葉君~~)ーー
今日はここまで。第12話につづく→