わろてんか(41)文鳥師匠の決断
2017年11月17日 第週『風鳥亭、羽ばたく』 第41話
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《第40話のおはなし》
第41話「文鳥師匠の決断」の巻
キースが、逃げたアサリを見つけてきたシーンから始まりました。
キース「おてんちゃんに謝れ!」
アサリ「謝らへん!この人には悪いけどな、わいも食うていかなあかんねや、お前も見切りつけた方がええぞ、
ここはもう・・・終わりや」
一同は、アサリの言葉に驚きの表情ですが、てんはきっぱりと言いました。
「終わりやおまへん、うちがこの寄席、守ってみせます」
ーー(‟諦めない気持ち”‥何かを成功させたいときに絶対必要。時々グッとくる。このドラマ、夢ばっかり追ってるように見えるけど、私も頑張らなきゃと思わせてくれるいい面もあるなと思います。また見ようと思うのは、そんな熱さがあるからかな)ーー
気持ちを切り替えて・・
『改装の為 近日開席 乞ご期待 席主敬白』
藤吉郎が寄席に戻ってくると、店の扉にはこんな張り紙がありました。
慌てて中に入ると、てんは言いました。
「アサリはんは新開地の寄席に行かはりました。ほかの皆ももう限界です」
てんのアイディア
「もう一度、文鳥師匠に会いに行きまひょ。
文鳥師匠、ご本人に出ていただくんです!!」
「はあああ????」
てんの案に藤吉郎はびっくり!!
ーー(するよね、いや~てんは面白い。人が思いつかないことやってのける!「そうくるか!」っていうのがこの子の魅力なんだろな、次は何するの?楽しみ楽しみ)ーー
次はカレーや!
藤吉郎「難波ネギ、買うてきたで、カレー作ったくらいでホンマに文鳥師匠が会うてくれるんかな?」
てん「伊能はんがお口添えしてくれはったから大丈夫ですやろ、それに
タダのカレーやありまへん。ちょっとお味見を!」
藤吉郎「甘っ、何やこれ!」
カレー持って会いに行こう!
「これは・・・美味いな!!」
「だしが効いてるし、しかも・・・辛いわ。辛いもん好きってよう知ってたな」
文鳥師匠は嬉しそうです。
てんも嬉しそうです。
文鳥「でもこのうどんでコロッと行くほど、わては甘うないで。うちの噺家に出てもらうんは諦めたんちゃうんか?」
藤吉郎「はい、諦めました。文鳥師匠に出てもらえないかと、お願いに上がったんです」
文鳥師匠、驚いてむせる。
弟子「何をたわけたことを!!」
文鳥「コラっ」
師匠の一言で、弟子は座りました。
文鳥「わいか?」
藤吉郎「はい、文鳥師匠です」
文鳥「こりゃあオモロイこと言わはるわ」
藤吉郎は、子どもの頃から文鳥師匠の落語が好きだったことを語り始めました。
特に「時うどん」が好きだと。
『時うどん』は、前座噺で、
師匠の十八番が人情モンだというのは知っているが、自分は『時うどん』が大好きだ、と言いました。
「引っ張りな!」というセリフの所が大好きで、よく真似をしたと言いながら、3フレーズほどやってみせました。
お弟子さんは、奥の間からじっと藤吉郎をガン見したり、2人でコソコソ話しています。
師匠は、ちょっと昔を思い出しているような、そんな表情を浮かべています。
藤吉郎は続けました。
「近所の人は、引っ張りなを知らんのです。師匠の落語は敷居が高すぎて、ホンマに面白い落語を聞く機会がないんです」
てんも言いました。
「これはうちに来たお客さんが‟金があったら見に行くわ”って置いていかはったビラです。
よほど、ホンマモンの落語が聞きたかったんですやろな」
藤吉郎「1回でええんです、席主として悔いのない番組を作って、天満を歩いてる街の人に、師匠の落語を聞いてもらいたいんです」
てんは、子どもの頃に初めて見たのが落語だったと。笑いってええなあ、笑いって凄いなあと思ったと言いました。
「男の人だけやのうて、おなごはんにもお子らにも、皆にみてもろてわろうて欲しいんです」
てんは思い出し笑いをしています。
文鳥師匠は・・
「あんたらの目指す小屋の色は、そういう事やな?伝統派でもない、オチャラケでもない、落語の為やというんやったら・・・・」
「1回きりやで」
カレーうどんの礼や。
弟子は奥でざわついていました、チラチラ見てます!
芸人仲間に報告
プハーーーーッ
キースがお茶を吹いたーーー
「嘘や、ウソやウソや!!!」万丈目も驚く!
「文鳥師匠があんな端席に??」
ーー(そら驚くわな)ーー
栞の提案
栞に報告!
「その後はどうする?」すかさず尋ねましたが・・
「さ、さあ・・・」てんと藤吉郎は顔を見合わせてます。
ーー(いやいや、藤吉郎はん頼りなさすぎでしょ、しっかりしろ~)ーー
「これを利用しよう」
栞は、新聞に記事を載せたらいいんじゃないかと提案をします。
『伝統派の大看板文鳥が、名もなき寄席の席主の情熱に打たれて、高座に上がる!』
夢物語を、大々的に新聞に書いてもらう。
どうなるか、見ものだろ?
ーー(さすが栞様~帝大卒で実業家だけあって、商才がある!凄い凄い。楽しみだ)ーー
文鳥師匠独演会
『満員御礼』
風鳥亭は、お客さんで満員になりました。
「お子たちを前に座らせておくれやす」
女の人もいっぱいいます。
いよいよ開演するよ~
「ちょっとすんません」
女の記者さんがきました、あ、よく見ると
楓さんじゃないですか??!
ーー(歌人じゃなくて記者になったの?)ーー
文鳥師匠の弟子は、出演を反対しています。
「ホンマにこんな端席の、しかも前座噺しはるんですか?総勢150人の伝統派の私らの為にも、どうか今一度お考えを!!」
しかし、師匠はやめる気はありません。
弟子に向かっていいました。
「ほな、お客さんとこ行こか」
「はい」
弟子たちは顔を見合わせながらも、仕方なく客席に向かいました。
ーー(明日がホントに楽しみ!てんと藤吉郎の夢を託した文鳥師匠の舞台!!)ーー
今日はここまで。第42話へつづく→